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お知らせ

指導監査救済センター新聞1月号 解説書ではわからないこと
2024年01月17日

解説書ではわからないこと

 本屋に行くと,事業者のために行政から指導監査を受けたときの解説書が並んでいる。ただし,法令を遵守しなさいと書いているだけで,実際に行政職員が事業者建物立ち入りがあったときの対応は書いていない。(地元の弁護士さんに相談しても,結構同じ事を言われる)

 解説書に書いてあることは,ふだんからコンプライアンスに注意して事業をしなさい,ということだから,まちがってはいないが,立ち入り調査の現場では役に立たない。

 法律は行政職員にもコンプライアンスを課している。たとえば身分証明の携帯と提示だ。身分証明とは,公務員が首にさげているカードではない。公的な身分証明を携帯していない行政調査はそれだけで違法になる。

 帳簿書類を持ち帰り,行政が留め置くことがなされているが,法令は現場で提示を受けて閲覧するようものとされているから,帳簿書類を持ち帰り留め置くことは,処分にあたる。処分だとすると,帳簿書類の留め置くことについて不服申し立てができるはずだ。

 パソコンのデータは厳密には帳簿書類とイコールとは言えない。そのデータを差し出せといわれたときはどうすればよいか,将来裁判になったときにどういう証拠をだせるのかなど,解説書をみただけではわからない行政調査の問題はたくさんある。

新型ハンドブック

 介護,障害,児童福祉サービス事業者のために,指導監査ハンドブックが必要だと思う。近々当事務所で作りたいと思う。

  • 突然の立入り調査があったときどうすればよいか。
  • 帳簿書類を持ち帰りたいと言われたときどう対処すればよいか。
  • 質問を受けたとき虚偽答弁といわれたら?
  • そもそも監査を妨害したらどうなるのか。
  • 監査がやりすぎだと思うときはどうすればよいか。

 問題はたくさんある。

 裁判をすることはできるのか問題もある。

 グループで事業所を展開しているときは,連座制の適用が不安だ。複数の事業所があると連座して指定更新不許可になるとか,黙っておいて,更新拒否するとか。連座制の適用について最近の行政のやり方は問題が多すぎると思う。

 連座制など影響が大きい処分を裁量でなんでもできるようなことでは事務所としてもたまらないだろう。

 指定サービス事業者が指定を取り消されると,同時に,法種返還の調査もあるから,過去数年分の報酬返還を支払えと言われたら事業は倒産するおそれもある。

 そんなことを考えると,指導監査にすぐに役立つハンドブックがあればと思う。

 第1版は春には電子書籍として出したい。

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