指導監査救済センター新聞11月号 税務署職員の尋問
2023年11月30日
令和5年11月1日神戸地裁姫路支部で税務署職員の尋問に立ち会った。税務調査の違法が争点の事件だ。驚いたことがいくつかある。
税務署は,調査対象の事業者に,税務調査の内憂について事前通知を告知する義務がある。たいてい電話だ。
調査対象期間を告知するが期間は3年だ。事業者は3年分の決算書や領収書など帳簿書類を準備する。
この事案でも事業者さんは3年分の通帳その他帳簿書類を準備したが,臨場当日,税務署職員は7年分を調査するといいだした。
3年分の帳簿書類の提示をうけたのにもかかわらず,この職員は、さらに7年分の帳簿書類の提示を求めたうえ,税務署にもちかえる手続をした。
尋問で「3年と告知したのになぜ7年分の調査をしたのか」質問したところ「必要だ」としか言わない。
7年分の資料の持ち帰りも問題だ。「留置き」と言うようだが,この事案では税務署職員は,納税者から帳簿書類を持ち帰るのは止めてほしいと言われていた。ところが,留置きに際して,留置きは処分であるとか,不服があれば審査請求や処分取消訴訟ができるという教示を記載した公文書を交付して,持ち帰っていたのだ。
税務庁は令状に基づく犯則調査(マルサ)と違って任意の調査といわれているが,やっばり強制的な調査だった。納税者をおどし,不服があれば訴訟でもしなさい,という態度は大人げないのではないだろうか。(それともこれは普通のことなのか?)
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