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お知らせ

介護裁判新聞7月号 間違いだらけの行政調査
2019年07月11日

間違いだらけの行政調査

実地指導では,立ち入りによる調査が当たり前のように行われているが,それがウソだということがわかった。

 横浜地方裁判所民事一部(行政集中部)に,事業者が,介護保険法23条に基づく立ち入り調査に対し,拒否の意思表示を示し,立ち入りの受忍義務がないことの確認を求めた裁判で,行政は,立ち入り権がないこと及び予定された立ち入り調査を取りやめることを示した。本年7月10日が判決言い渡し予定日であつたが,事案は解決したため,事業者(原告)は,当該訴訟を取り下げた。

 全国各地で,実地指導と称して,事業所内への立ち入り調査が行われている。理由は,事業者が任意に許容しているからであるが,裁判でも立ち入り拒否が認められるのである。全国各地で,介護保険法23条による実地指導に対し,立ち入りきゅひの裁判を起こし,行政調査にも法令遵守を徹底されたい。

介護保険法23条による調査は,本来,事業者の法令違反を調査することが目的ではない。被保険者の調査の補充的な反面調査である。

ただ,介護保険法76条1項,78条の7第1項による調査は,立ち入り権限が認められていることには注意を要する。

児童・精神サービス

介護,児童,精神障害者の施設運営について,営利企業に門戸が開放されて久しい。

 高齢者介護の社会化を旗印として,2000年に介護保険法が施行された。営利企業でも,行政庁から指定をとることで,介護サービス事業所の運営ができるようになった。

 精神障害者総合支援法の福祉サービス事業,児童福祉法関係の児童サービス施設にも営利企業の参入が可能となった。全国のあちこちに,高齢者,障がい者,児童のためのサービス事業所が増えた。

 厚生労働省は,複雑なサービス基準そして,費用に関する基準をつくった。県,市町村を通じて,審査がなされ,処分が多発している。

実地指導のとき,過誤調整を指導されるケースが増加している。過誤調整の指導は行政処分ではないから,事業者は受け入れるケースが多いようだ。だが,法令違反があるのかないのかわかれないのに,金銭を支払うことで,解決する事業者にも問題がある。自覚をもって対応すべきだ。

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